今回は建築基準法と道路の話をします。
たったこれだけ!建築基準法
建築基準法とは、名前の通り、建物を建てる際の制限や構造について定めている法律になります。
建築基準法は詳しく説明すればするだけ、退屈な内容になってしまうため、シンプルな内容構成で進めていきたいと思います。
宅建業者は、不動産の価格査定や重要事項説明書で建築基準法上、建築が可能かどうか、
建築物の高さ制限、構造の制限はあるのだろうかといったことを調査します。
防火地域という区域に属していれば、木造の建物が建築できないという制限等もあり、建築基準法の内容は特に重要項目になります。
このブログでは以下のことだけ抑えておきたい。
【たったこれだけ建築基準法】
・建蔽率と容積率で建築上の制限がある
・道路には種類があり、道路によっては建築不可能な土地も存在する
建蔽率と容積率
まずは建蔽率と容積率!
建蔽率と容積率は用途地域によって制限が異なります。
用途地域が第1種住居専用地域の場合は、制限が厳しくなるが、商業系は制限が緩いです。
次にワードの解説!これは覚えよう。
建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合になります。
例えば100㎡の土地に対して建蔽率が60%の場合、建築可能な面積は60㎡までということになります。
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合になります。
例えば100㎡の土地に対して容積率が200%の場合、1F・2Fの床面積合計で200㎡までです。
下の写真は1F・2Fがきれいに100㎡ずつ分かれているが、1F120㎡、2Fが80㎡でも問題ない。合計の床面積が200㎡を超えなければ違法ではない。
道路で建物の運命が決まる
道路には、「国道」、「県道」、「市道」、「私道」でそれぞれ管理者が異なる点に注意したい。
不動産業者が道路について調査するときは、国道については国土交通省の地方整備局、県道の場合は地方振興局、市道・私道は市役所で調査をします。
国道→国土交通省(地方整備局)
県道→都道府県(地方振興局)
市道→市町村(市役所)
「市道」と「私道」は同じ呼び方になるため、「私道」はわたくしどうと呼んでます。
「私道」は建物を建てるときに道路の設置が必要となるため、個人で負担して道路を作ったものです。
道路の所有者は個人であり、また道路は共有持分で持ち合うことになる。
ゆえに本来は、その道路を使う場合には通行の承諾が必要であり、通行承諾料も必要になります。
また水道管・ガス管を新しく設置する場合も、道路掘削の承諾が無いと掘削はできません。
私道を利用する場合は、所有者の同意が都度必要になるため、道路所有者に難しい方ががいると物事が進まなくなります。
次に建築基準法で定めている道路の種類をみていきたい。
【道路の種類】
・建築基準法42号1項1号(道路法による道路):国道・県・市町村で幅員4m以上の道路
・建築基準法42号1項2号:都市計画事業、土地区画整理事業でつくられた道路
・建築基準法42号1項3号:既存道路。法律ができる前から存在している道路(最初からあるので、道路して認めている)
・建築基準法42号1項4号:都市計画事業を2年以内に行われる道路が該当する
・建築基準法42号1項5号:位置指定道路。特定行政庁から位置の指定を受けたもの。私道。
・建築基準法42号2項:2項道路。幅員が4m未満で建築をする場合は、セットバックが必要。
建物が建てる際には十分な幅員(道路の広さ)と接道義務を満たすことが必要です。
つまり道路を狭く作ってしまったり、道路に接道していないとなると建築基準法上、建築不可となります。
そこで不動産業者が調査する場合は、建築基準法上(幅員4m以上)の道路に2m以上接しているかどうかを確認します。
4m未満の道路は実際には、数多く存在する。その場合はどうするのだろうか?
それは、現状あるものはそのままであり、新築する場合は4m未満→4m以上にするために敷地内に道路を設けます。
これをセットバックといいます。
建物を建てる場前面道路が4m未満の場合は、道路の中心線から2m後退した線を道路境界線とみなし、建築します。
後退した部分は「私道」扱いとなり、その部分は建物を建てることができません。。
良くあるのが、古い建物を解体して更地で購入する場合、売却するときの表記は道路後退前の面積になるため、
土地を購入して建物を建てる場合は、交代部分を道路にしなければならないため、有効な敷地面積が減ってしまうことである。
※物件資料の備考欄に「セットバック必要」とか「○○m後退必要」などの文言がある場合は注意したい
次に接道義務です。
建物を建てる場合、接道義務があり、敷地が道路に2m以上接していなければならない。
接道していないと接道義務を満たしていないということで、建築することができません。
接道義務はこの点だけ抑えましょう。
※接道部分が2m無い場合は、隣地の土地を借地として利用し接道義務をみたすというパターンもあるが、ここは不動産業者にお任せしよう
以上が道路についてです。
セットバックが必要な場合、土地家屋調査士に依頼することになります。
土地家屋調査士は土地の測量を行い、境界を確定する職業である。隣地の方との境界を決めるのも土地家屋調査士のお仕事です。
セットバックについて道路管理者と協議し、道路の中心線と後退が必要な面積を算出します。
境界についての話は別途記事にしたいと思います。