不動産学 基礎編

不動産学、基礎編⑤建築基準法と道路の話。道路によって建物の運命が決まる?

 

質問している人
今回の不動産学は建築基準法...?なんだか難しそう

 

名前が難しそうだけど、内容はシンプルだよ!
黒須

 

今回は建築基準法と道路の話をします。

 

たったこれだけ!建築基準法

 

建築基準法とは、名前の通り、建物を建てる際の制限や構造について定めている法律になります。

 

建築基準法は詳しく説明すればするだけ、退屈な内容になってしまうため、シンプルな内容構成で進めていきたいと思います。

 

宅建業者は、不動産の価格査定や重要事項説明書で建築基準法上、建築が可能かどうか、

 

建築物の高さ制限、構造の制限はあるのだろうかといったことを調査します。

 

防火地域という区域に属していれば、木造の建物が建築できないという制限等もあり、建築基準法の内容は特に重要項目になります。

 

このブログでは以下のことだけ抑えておきたい。

 

【たったこれだけ建築基準法】

・建蔽率と容積率で建築上の制限がある

・道路には種類があり、道路によっては建築不可能な土地も存在する

 

建蔽率と容積率

まずは建蔽率と容積率!

 

建蔽率と容積率は用途地域によって制限が異なります。

 

用途地域が第1種住居専用地域の場合は、制限が厳しくなるが、商業系は制限が緩いです。

 

用途地域の解説

次にワードの解説!これは覚えよう。

 

建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合になります。

例えば100㎡の土地に対して建蔽率が60%の場合、建築可能な面積は60㎡までということになります。

 

容積率は敷地面積に対する延床面積の割合になります。

例えば100㎡の土地に対して容積率が200%の場合、1F・2Fの床面積合計で200㎡までです。

 

下の写真は1F・2Fがきれいに100㎡ずつ分かれているが、1F120㎡、2Fが80㎡でも問題ない。合計の床面積が200㎡を超えなければ違法ではない。

 

道路で建物の運命が決まる

 

黒須
道路は不動産を調査するうえでは、重要項目です!

 

道路には、「国道」、「県道」、「市道」、「私道」でそれぞれ管理者が異なる点に注意したい。

 

不動産業者が道路について調査するときは、国道については国土交通省の地方整備局、県道の場合は地方振興局、市道・私道は市役所で調査をします。

 

国道→国土交通省(地方整備局)

県道→都道府県(地方振興局)

市道→市町村(市役所)

「市道」と「私道」は同じ呼び方になるため、「私道」はわたくしどうと呼んでます。

 

「私道」は建物を建てるときに道路の設置が必要となるため、個人で負担して道路を作ったものです。

 

道路の所有者は個人であり、また道路は共有持分で持ち合うことになる。

 

ゆえに本来は、その道路を使う場合には通行の承諾が必要であり、通行承諾料も必要になります。

 

また水道管・ガス管を新しく設置する場合も、道路掘削の承諾が無いと掘削はできません。

 

私道を利用する場合は、所有者の同意が都度必要になるため、道路所有者に難しい方ががいると物事が進まなくなります。

 

 

次に建築基準法で定めている道路の種類をみていきたい。

 

【道路の種類】

・建築基準法42号1項1号(道路法による道路):国道・県・市町村で幅員4m以上の道路

・建築基準法42号1項2号:都市計画事業、土地区画整理事業でつくられた道路

・建築基準法42号1項3号:既存道路。法律ができる前から存在している道路(最初からあるので、道路して認めている)

・建築基準法42号1項4号:都市計画事業を2年以内に行われる道路が該当する

・建築基準法42号1項5号:位置指定道路。特定行政庁から位置の指定を受けたもの。私道。

・建築基準法42号2項:2項道路。幅員が4m未満で建築をする場合は、セットバックが必要。

 

黒須
数がありすぎるので、すべて覚える必要ないよ(笑)

 

建物が建てる際には十分な幅員(道路の広さ)と接道義務を満たすことが必要です。

 

つまり道路を狭く作ってしまったり、道路に接道していないとなると建築基準法上、建築不可となります。

 

そこで不動産業者が調査する場合は、建築基準法上(幅員4m以上)の道路に2m以上接しているかどうかを確認します。

 

質問している女性
あれ?昔からある道路って4mより狭い道路って多くない?

 

実際多いよね((笑)これは建物を解体し、新築する場合に制限があります
黒須

 

4m未満の道路は実際には、数多く存在する。その場合はどうするのだろうか?

 

それは、現状あるものはそのままであり、新築する場合は4m未満→4m以上にするために敷地内に道路を設けます。

 

これをセットバックといいます。

 

物を建てる場前面道路が4m未満の場合は、道路の中心線から2m後退した線を道路境界線とみなし、建築します。

 

後退した部分は「私道」扱いとなり、その部分は建物を建てることができません。。

 

良くあるのが、古い建物を解体して更地で購入する場合、売却するときの表記は道路後退前の面積になるため、

 

土地を購入して建物を建てる場合は、交代部分を道路にしなければならないため、有効な敷地面積が減ってしまうことである。

 

※物件資料の備考欄に「セットバック必要」とか「○○m後退必要」などの文言がある場合は注意したい

 

次に接道義務です。

 

建物を建てる場合、接道義務があり、敷地が道路に2m以上接していなければならない。

 

接道していないと接道義務を満たしていないということで、建築することができません。

 

接道義務はこの点だけ抑えましょう。

 

※接道部分が2m無い場合は、隣地の土地を借地として利用し接道義務をみたすというパターンもあるが、ここは不動産業者にお任せしよう

 

以上が道路についてです。

参考:国土交通省「道路についての解説」

 

 

セットバックが必要な場合、土地家屋調査士に依頼することになります。

 

土地家屋調査士は土地の測量を行い、境界を確定する職業である。隣地の方との境界を決めるのも土地家屋調査士のお仕事です。

 

セットバックについて道路管理者と協議し、道路の中心線と後退が必要な面積を算出します。

 

境界についての話は別途記事にしたいと思います。

 

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kurosu

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