不動産学 基礎編

不動産学、基礎編⑦【持家VS賃貸】どっちを選択するかで迷ったときに読む記事




質問しているサラリーマン
持家か賃貸で迷っています。どちらがいいですか?

このようなお悩みを抱えている方に、持家と賃貸それぞれのメリット・デメリット、



そしてどのようなリスクがかかってくるのかをみていきたい。



日本経済が不況に立たされる中、住宅に関するコストは家計の中でも費用負担が大きく、コストは極力抑えたい。



家庭資産の7割は不動産であることから、細かい節約のテクニックより不動産を学んだ方が



家計全体のコストを下げることができ、生活もより豊かになることができるという言うのが自論です。



住宅費用の特徴は固定費だということです。



電気・ガス・水道・通信費と同じように固定費ですので、自宅にいてもいなくても費用がかかってきます。1日何もしなくてもコストがかかります。



この巨大なコストと私達は向き合っていかなければならないのです。



今回の記事は不動産・住宅に関する多くの書籍・情報をインプットし、そして本業の不動産業をこなしていくなかで、



持家か賃貸かの一つの道を提示したいと思う。



もちろん答えは一つではないですので、「絶対的なもの」として捉えるのではなく「こういう考えもあるんですね」くらいにみていただければ幸いです。



30代になると考えるようになるのが「ローンを組んで家を買うかどうか」です。



30歳の人でもローンを35年借りたら返済が終了するのは65歳。30代に入ってたら決断をする時期でもある。



40歳を超えると35年ローンを借りられるかどうかは金融機関の担保評価次第になるので、「若い方が有利である」という情報がネットにあげられてて、



どうしようかと焦りだしている人もいるのではないだろうか?



決断をするのにも有効期限がある.....

35年と長いローンを返済し続けることは可能だろうか....

このままサラリーマンとして働き続ければローンの返済は可能だが、仕事があり続けるだろうか....

仮に解雇されるようなことがあっても、返済できるプランはあるのだろうか....

収入が下がるのを恐れて転職ができなくなるのだろうか....



こうした葛藤があると思う。



こうした悩みは持家と賃貸の特徴と将来的にかかってくる費用の理解と、「最悪の事態こうなる」ということを想定しておくことが重要だ。



失敗しても取り返しのつかないような大失敗をしなければ、何回もやり直すことができる。



そう思うことで、大きな決断に迫られても、判断することができるのである。



では、見ていこう。



持家のメリット・デメリット~最悪の事態についての解説

 

まずは持家。

 

メリットとしては以下の通り。

 

夢のマイホームに住める
35年の住宅ローンの支払いが完了すれば、家賃かからない(固定資産税のみで済む)
いざというときは売却できる


意外と持家のメリットは少ない。



あくまで持家は「夢のマイホーム」で大きな買い物であり、特別メリットが大きいとはいいがたいのである。


しかし人生は短いですので、夢のマイホームで人生を謳歌するのも素敵な選択肢です。


次にデメリットは以下の通りだ。



簡単に引っ越せない
リフォームや屋根、外壁塗装、配管の交換・設備交換など、経年劣化で不具合が出てくる場合は、補修のコストがかかる
住宅ローンに縛られ、精神衛生上良くない

一番のデメリットとしては、簡単に引っ越せないことである。


なぜデメリットになるのかというと、購入した後に急遽引っ越さなければならなくなった場合や、



近所に変な人が住むようになったときも逃げられなくなるからである。


いざというときに逃げられないデメリットは大きいといえる。


せっかく購入した住宅を売りに出しても不動産はすぐに売れるものでもないので、


住宅ローンの支払いが続いていれば、当然ながら毎月のローンの支払いも発生してきます。


次にリフォーム費用である。


リフォームは外装・内装の両方を検討する必要があります。


外装では15年ほどで外壁の塗装、屋根の塗装、内装に関しては10年も経つと天井・壁・床のクロス、サッシの交換など検討すべき箇所は多くなります。


賃貸物件であれば、外壁塗装は大家さんが行うものですが、持家の場合はすべて自分の費用で行わなければなりません。


またさらに10年~20年が経てば、再度塗装をやらないと雨漏りの原因となり、建物の資産価値を減らすことに繋がってしまいます。

 

では、最悪の事態を想定しましょう。

 


持家の最悪の事態は「自己破産」です。そして自宅を強制的に売却されることです。


・・・・・・・・・・・・・解説していきます。

 

住宅ローンの支払いは滞納があると、金融機関からもちろん催促がきます。

 

しかし最初から「お金返せ!」というスタンスではなく、最初は「どうされましたか?支払いが苦しい場合は返済計画を見直ししますか?」という親切な対応です。

 

滞納から1カ月~3か月程度は通知書を郵送するのみで、直接自宅へ来るということはありません。

 

※「住宅ローンの支払いが払えなくなったら読む本」より抜粋

通知書は「ご入金のお願い」という形で郵送され、この時点で金融機関のブラックリストに載ることはありません。

 

※ブラックリストとは個人信用情報に事故情報として登録されることで、不動産に関してはアパートに入居する場合、

ブラックリストに載っていると理由で保証会社の審査で承認されないなどが発生してくる

 

滞納が3回目になると、金融機関も動きます。内容証明郵便による「督促状」や「催告書」として書類が郵送されます。

 

※「住宅ローンの支払いが払えなくなったら読む本」より抜粋

 

ここで期限の利益(あなたを信用してるので、35年間の分割払いにしまうよ)を喪失し、一括返済を迫られます。

 

つまり今までは信用してたから35年待ってあげてたけど、滞納が続き信用無くなったから一気に貸した分返してね!という話です。

 

これは民法で「期限の利益」についての記載があり、違法な行為ではありません。

 

また金融機関と取り交わす「金銭消費貸借契約(住宅ローンを組む際は必ず取り交わす契約書)」にも、

 

条項に「期限の利益喪失事由」がしっかりと記載してあります。

 

もちろん滞納した人は一括返済などできるはずがありません。

 

では次にどうなるのかというと裁判所から差し押さえの通知が入ります。

 

これは競売がはじまりますよ!というお知らせです。

 

しかしこの時点では、まだ家に住むことはできます。

 

徐々に競売の準備をするべく、不動産鑑定士と裁判所書記官が自宅に入り価格査定を行います。

 

物件情報概要書などの競売の書類の準備ができれば、競売の入札がはじまります。

 

※競売情報はこちらでみることが可能で一般の人も競売物件を購入することが可能だ

 

ここから競売の入札が開始され、入札者が決まって所有権が変わり、最終的には強制的に出ていかなくてはならない。

 

そしてマイホームの夢は儚く散ることになる。

 

最終的には売却した金額でも、残債が残っていれば支払い義務がありますが、

 

ここで自己破産を選択して一度リセット。

 

これが最悪のシナリオである。

 

この最悪のシナリオがみえれば、見えない不安と闘うより安心するかと思います。

 

何かあったときは「売却」を選択して、一度リセットする選択肢も必要だ。

 

住宅ローンに縛られていると、職も辞めづらくなったりと精神衛生上良いものではない。

 

追いつめられると自殺のリスクも考えられます。

 

住宅は35年間の支払いと付き合っていく商品です。

 

購入する場合は上記の点を踏まえたうえで検討するべきです。

 

賃貸のメリット・デメリット

 

次に賃貸のメリット・デメリットを解説します!

 

まとめると以下のとおりです。

 

まずはメリットから。

 

ここはやばいと思ったら、すぐ引っ越せる
故意に壊したのでなければ、設備の修補は大家さんでやってくれる

 

次にデメリット。

 

毎月の家賃が発生する

住んでるアパートの住民が火事になるリスク(隣に他人が住んでいるというリスク)

大家さんで塗装を行わないと建物が古くなり、見栄えが悪くなる

 

アパートの最大のメリットは「すぐ引っ越せる」ことです。

 

隣に変な人が入居してきても、ライフスタイルを変えたく、場所を移ることも容易にできるのが魅力的です。

 

また設備に関しては、故意に壊れた物でなければ経年劣化とみなし、大家さんの費用で補修をしてくれます。

 

次にデメリットだが、まず毎月の家賃が発生してきます。

 

持家の場合は35年の住宅ローンの返済が終われば、固定資産税の支払いだけで家賃の支払いは無くなります。

 

しかし賃貸の場合は必ず家賃が発生し、一生家賃を払い続けることになります。

 

家賃の出費が大きい場合は、長期的には持家よりコストが大きくなるだろう。

 

またアパートは共同住宅のため、他人が隣に住んでいることを軽視してはなりません

 

確率は少ないが、他人が火事を起こせば被害を受けてしまうリスクも考えられます。

 

共同住宅に住む場合は、「すぐ逃げられる準備」も必要です。

 

最後に見栄えの問題である。

 

賃貸アパートの外壁塗装は大家さんで行うのだが、法律で○○年以内にやらなければならないという決まりはありません。

 

大家さんの懐事情がよろしくなければ、塗装は行われないこともあり、外壁は古くなり続けます。

 

見栄えを気にするのであれば、引っ越しをする必要も出てくるため、デメリットにしました。。

 

結論

黒須
自論も含め、解説します

持家と賃貸は長期的にみると、持家が有利に見えるが、長年の間に何が起こるかわからないという見えないリスクがあります。


配管が経年劣化でダメになったり、災害で建て替えが必要になった場合には、持家の方が大きい出費になる可能性も潜んでいます。


逆に安い賃貸物件に一生住み続けるというなら、賃貸の方が安くなるパターンもありえます。


いつまでも家賃を払っているのがバカバカしくなってくるという考えで、マイホームを購入することは反対派です。


こうしたことから、わたしはいつでも逃げれるというメリットがある「賃貸派」です。


もし持家を持つなら、「中古+リフォーム」を検討します。


新築はハウスメーカーの利益がたっぷり含まれているため、金額が高額になります。


しかし中古住宅はあくまで「土地の価格」と「建物の状態」から価格を判断するため、新築よりコストを下げられます。


そして必要な個所をリフォームすることにより、安く新築に近い状態で住むことができるのである。


※水廻り(浴室・トイレ・キッチン)の設備が高額になるため、水廻りが新設であれば、リフォーム代もほとんどかからないだろう


賃貸は安いところに移り住むという選択肢も可能です。


立地的に不利な物件、入居率が悪い物件は家賃を下げざるを得なくなり、需要より供給の多い今の賃貸市場では、


安い物件を探すことは容易に見つけることが可能だろう。


※地方の郊外は逆にアパートがとほとんど存在しないため例外


しかし最終的には、「自分がどうあれば幸せになるか?」ということです。


夢のマイホームを購入することが決して悪いということではないです。

 

わたしは持家と賃貸のメリット・デメリット踏まえて、賃貸を選択しているにすぎないです。

 


この記事が多くの人に届き、検討する際の判断材料となっていただければ幸いです!

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kurosu

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