不動産学 基礎編

不動産学、基礎編⑧素人でもわかる!?不動産業界のビジネスモデル

質問している人
不動産業界ってどのような構造なの?

わかりづらいですよね。この記事で詳しく解説していきます!
黒須

 

不動産業界には会社によって色が異なります。

 


まずは不動産会社の業種について説明します。

 


【不動産業の業種】

・不動産売買の仲介

・不動産管理業

・不動産賃貸業

・デベロッパー

 


それぞれ強みがあり、すべてをこなしているわけではない。


不動産会社は売買のみやってる会社もあれば、不動産管理業メインで売買は全く分からないという会社も存在します。


では、まず不動産売買の仲介についてみていこう。


不動産売買の仲介を知る


不動産売買は宅地建物取引士でなければ、重要事項説明書の説明と捺印ができません。


つまり宅地建物取引士でなければ契約行為ができません。


※「全国宅地建物取引業協会連合会」の書式より抜粋

 

不動産売買の仲介とは売り手と買い手の間に立ち、不動産取引を円滑に行えるよう導くお仕事である。

 

 

まずは図を参照したい。

 

不動産を売買する場合、必ず不動産会社に支払うのが仲介手数料です。

 

不動産会社は仲介手数料でビジネスを成り立たせています。

 

しかし仲介手数料は国土交通省で決められており、上限以上の仲介手数料を請求するようなことがあれば、宅建業法違反となります。

 

仲介手数料は以下の通りで定められています。

 

【不動産の仲介手数料について】

・売買価格:200万円以下:売買価格の5%(売主からは18万円×消費税額)

・売買価格:200万円超え400万円以下:売買価格の4%+2万円+消費税(売主からは18万円×消費税)

・売買価格:400万円以上:3%+6万円+消費税

例えば売買価格が1000万円の場合は、1000万×3%=30万→30万+6万=36万→36万×1.1=39万6,000円

①の場合は不動産会社の報酬額は、売主からの仲介手数料39万6000円、買主からの仲介手数料39万6,000円の計79万2,000円が入る計算になる。


仲介手数料は売主・買主の両者とも不動産会社に仲介手数料を支払いをする必要がある。


上記の①の例をみたい。


①の例は1社の不動産会社が売主と買主を仲介した。


そうすると売主・買主はそれぞれで不動産会社に仲介手数料を支払う必要がある。


一方、②に関しては売主は元付業者、買主は客付け業者と2社仲介に入っている。


これはどういうことだろうか?


これはまず、不動産を売るときまで遡る。


売主は不動産を売却する場合は、不動産会社と「媒介契約書」を結び、不動産会社が市場に物件情報を世に出して売りに出します。


そして媒介契約を取り交わした不動産会社が元付業者といいます。


※「全国宅地建物取引業協会連合会」の書式より抜粋

 

元付業者はレインズ(不動産業者しか見れない物件情報)や各ポータルサイトに物件情報を掲載し、売りに出す。


そして物件情報を見た他の不動産会社は、不動産を買いたい人に紹介することができます。

 


そこで買主が「その物件を買いたい」となれば契約は成立し、紹介した不動産会社は客付け業者となります。

 


仲介手数料は①と異なる。

 

 

売主からの仲介手数料は元付業者へ支払います。

 


そして買主からの仲介手数料は、客付け業者へ支払うことになっています。


ここで問題となっているのが「囲い込みである」。下記の内容で解説しているのでご覧いただきたい。


黒須
これは不動産業界の悪いところです

【囲い込み】

①のパターンは売主・買主両者から仲介手数料が入るため、報酬額②のパターンの2倍にもなるため、できる限りパターン①で取引したいというのが本音。

では、不動産会社の戦略はどうするのか?

それは情報を他社に渡さず、情報を抱えたまま買主があらわれるまで探し続けることである。

これを囲い込みといい、本来流通すべき不動産が流通しないことになるため大問題である。

見分け方は簡単である。

囲い込み業者は他社からのお問い合わせが嫌いで、紹介したくないのである。

そこでよく使う言葉が「ちょうど申し込み入ってしまいました~」である。

これは「すでに申し込みが入ったため、あなたには紹介できませんよ!」というものである。

このパターンは多い。

後日、個人で問い合わせすると、「紹介できますよ~」と平気で言ってくるから驚きである。

不動産業者は横のつながりが大切で、各社で持ちつ持たれつの関係にあるため、そのような会社には物件を紹介しないようにしている。

不動産管理業を知る

質問しているサラリーマン
先日、不動産会社から「他社で管理している物件を紹介します」と言われ、何件かご案内いただきましたが「管理していない」ってどういうこと?

 


不動産業者は他社で管理しているアパートも紹介ができます。詳しくみていきましょう!
黒須

 


不動産会社は「不動産を所有しているわけではない」ことに注意したい。


あくまで大家さんから物件を預かり、大家さん代理で入居者の苦情対応、物件の清掃、空室の募集などを行います。


大家さんと不動産会社は、管理をはじめる場合「管理委託契約」を取り交わします。


管理委託契約書を結んだ業者が「管理会社」となり、結んでいない会社は「管理していない会社」となる。


※「全国宅地建物取引業協会連合会」より抜粋

 

不動産会社へ支払う費用は以下の通りである。

 

【不動産管理業における費用】

・入居者が決まった場合の仲介手数料:売主・買主両者の合計で賃料1か月分+消費税

※元付業者と客付け業者の2社が入る場合は仲介手数料を折半する

 

・不動産の管理費:売主から不動産会社へ家賃の5%~10%を毎月支払う

 


上記の図をみると、「管理していなくても紹介ができる」構造が分かってくるかと思います。


不動産会社は大家さんから物件を預かり、ポータルサイトなどに情報を掲載します。


情報をみた不動産会社は、入居者へ紹介してマッチングすれば契約→入居が可能となります。


仲介手数料は大家さんから0.5カ月、借主から0.5カ月というルールがあるが、

 

最も多いパターンが借主が賃料を1カ月支払うパターンです。

 

これは宅地建物取引業法で「借主の承諾があれば賃料の1カ月と消費税額を請求できる」とあるため、

 

重要事項説明書・契約書に仲介手数料の額が記載されて、署名・ハンコを押した場合は承諾したものとみなされます。

 

 

一部のYouTuberで「賃料1カ月+消費税額を入居者に請求するのは間違っていて仲介手数料を値引きしてもらおう」という話も見かけたことがあるが、

 

これは間違いではなく、ビジネスとして至極当然にやっています。

 

そもそも仲介手数料の値引きの場合は、入居をお断りする可能性も出てきます。

 

なぜなら、入居の条件が仲介手数料1か月分となるためである。

 

ガリガリ君を買えるお金が無いのなら、ガリガリ君を買えないのである。

 

物件に対する条件で支払えないのであれば、もっと家賃の低い物件を検討するしかない。

 

せっかく良い物件を見つけたとしても、不動産会社から入居NGの判断が下れば、その物件に入居できなくなります。

 

 

不動産賃貸業を知る


黒須
これはつまり大家業です。不動産を自分で管理したり、管理会社へ委託して事業運営します。

宅建の資格は不要です。


不動産投資=不動産賃貸業です。


不動産賃貸業として、不動案からの収益を得るために効率よく不動産の管理を不動産管理会社へ委託したり自分で管理を行ったりします。


不動産賃貸業が、不動産を所有して運用していくというものです。


 

以上、不動産業のビジネスモデルでした。

 

他にもデベロッパーや不動産コンサルティング業もあるが、基本的には上記の内容になるため、割愛します。

 

不動案業界の仕事の謎について多くの人に届き、少しでも理解していただければ幸いです。

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kurosu

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