解説していきますね!
黒須不動産相談室では、建物の詳しい話については触れないため、基本的なことだけ触れていきたいと思います。
建物の構造は深く追及すると建築士の分野になるため、不動産学では「建物にはこういう構造があるよ!」という紹介のみとします。
今回はさらに、コラムとして購入してはいけない物件の特徴についても見ていきたいと思います。
目次
建物の構造の基本事項
【建物の構造】
・木造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造
賃貸物件の資料や住宅の資料を読み解くうえで、建物の構造については上記4点を抑えておきたいです。
それでは、それぞれの特徴について解説します。
木造について
木造住宅は鉄骨造と比べると防火性・耐火性能が劣ります。
メリットとしては建物を建てるコストが低いことです。
ちなみに解体するコストも鉄骨造より木造の方が安いです。
※その他、特徴としては収益物件の木造の場合、減価償却期間が22年(会計上、22年間で価値が0円になる)であること。
木造については2000年以降の物件が安全!
建築基準法は災害が起こるたびに更新され、耐震力に厳しい制限が設けられており、最新のものが2000年の建築基準法の改正というわけである。
例えば1978年の宮城県沖地震(M7.4)によって、1981年6月に新耐震基準が設けられ,1981年以前の建物は旧耐震基準の建物と呼ばれており、
さらに阪神大震災(M7.3)発生後に耐震改修促進法が発足され、その後、2000年に建築基準法の改正でより厳格な制限が加わりました。
鉄骨造
次に鉄骨造についてみていきたいと思います。
鉄骨造は軽量鉄骨と重量鉄骨というものがある。
違いとしては、6mm未満の鋼材を用いる場合は軽量鉄骨造となり、6mm以上の鋼材を用いると重量鉄骨造の扱いになります。
鉄骨造の特徴は高層建築の場合でも、空間構成の自由度が高いことです。
しかし熱に弱いこともあり、耐火被覆が必要になります。
鉄筋コンクリート構造より、耐震性・耐久性・耐震力は劣ります。
建築コストは木造より高くなります。
これらを抑えておきましょう。
鉄筋コンクリート造
RC(Reinforced Concreteの略)造とも呼ばれる。
マンションでは一般的に鉄筋コンクリート造である。
近年の地震で物件の耐震力が心配な場合は、鉄筋コンクリート造一択で物件選びをすれば間違いない。
しかし1981年6月以前の旧耐震基準で作られた建物は大地震を想定して建られていないため、
地震大国の日本においては避けるべき!
不動産学コラム!購入してはいけない物件
不動産・建築の両方の面で避けなければならない物件が存在しますので、お話しします
不動産的調査とは、立地の判断、利回りなどが該当し、建築的調査は、「雨漏りしている」「白アリが発生している」などの調査であり、
不動産会社も重要事項説明書を作成する際、建築的調査は専門外になるため、深く調査をしない(物件状況告知書という文書で告知はする)
これらは建築士の範囲になります。
不動産会社は「宅地建物取引業法」に基いて重要事項説明書の作成を行っているだけであり、建物の不具合に関しては「隠れた瑕疵」として扱います。
引き渡し後の間もない頃に雨漏りなどがあれば、売主で是正工事を行うが、しばらく過ぎてから建物の雨漏り被害が発生した場合は買主の責任と負担で是正工事を行う。
※購入後、雨漏りの事実を隠していたという場合は、不動産会社の告知義務違反として違反行為として扱われる。
では、購入してはいけない要素についてまとめます!
【購入してはいけない物件】
・土壌汚染の土地(ガソリンスタンド・クリーニング工場跡地など)
・ハザードマップにガッツリ該当している
・検査済証が無い物件
・道路付けが悪い
土壌汚染はとにかく避ける
まずは土壌汚染!
土壌汚染はガソリンスタンド跡地やクリーニング工場などの工場跡地は可能性が高い。
周辺は草が生い茂っているにも関わらず、そこだけ草が全く生えていないという場合は、そこが汚染されている場所になります。
土壌汚染は汚染すると、土壌の入れ替え費用が膨大になるため、どうしてもここに住みたい!っという特殊な事情以外はとにかく避けましょう。
ハザードマップは実際に浸水リスクが高い
市役所の資料は根拠なしに資料を作成しているわけではない。
過去の水害統計調査等をもとに作成しているため、実際に浸水被害のあった場所である可能性が高いです。
1回の大雨で大丈夫だったからといい、安心していると思わぬところで浸水被害を被る可能性もあります。
ハザードマップに該当している土地を購入する場合は、「湖」を購入すると気持ちで購入しましょう。
検査済がない物件は適法で建てられたどうかもわからない
建物を建てるとき、「建築基準法」において建築主は工事完了後に建築主事または指定確認審査機関による完了検査を受け、検査済証の交付を受ける必要がある。
この申請をしていない場合、建物が法に適した物件なのか、違反建築物なのかもわからないという状態になる。
ゆえに、この物件を買おうとしても金融機関の融資は不可能となる。
金融機関は、必ず検査済の交付を受けているか確認するからだ。
仮に書類を無くしたとしても、市役所の方で台帳等を管理しているため、紛失しても違反とはならない。
検査済のない建築物は法適合状況調査を行い、適合・既存不適格・不適格・不明のどれかで報告される。
不適合の場合も不適合の箇所を是正すれば、確認申請を受けることができ正常な建物として扱ってもらうことが可能です。
建築確認申請時の図面と照合し、何ら問題が無ければ問題のない物件として見てよいだろう。
実際、古くなれば古くなるほど検査済証のある物件は少なくなっていきます。
既存不適格物件(これはけっこう存在する!)
既存不適格物件とは「法律ができる前に建物が建てられていたために、法律的に違反だが、建物が建っているからしょうがないよね!」という物件で、
現法では違反の場合でも、取り壊しになるわけではなく、
建て替えをする場合は、現在の法律で建築しましょう!というものになります。
既存不適格物件は古くからある建物であれば、すべての建物に該当するため、取引でもけっこうな数が存在します。
既存不適格物件は上記の避けたい要素よりはだいぶマシですが、
法に適合しないため、金融機関からの融資は厳しいだろう。
良くあるのが建蔽率(けんぺいりつ)違反。
建蔽率とは「建築面積に対する建築可能な面積」であり、例えば建蔽率が60%の場合は、100㎡の土地に対して60㎡の建物が建てられるというものである。
敷地に対して、異常に建築面積が大きいという場合には、建蔽率違反となります。
他にも既存不適格の要素があるのだが、今後の重要事項説明の解説の際に詳しく説明していきたいと思います。
基礎編②は以上とします。