不動産学 売買編

不動産学、売買編②重要事項説明書の理解が不動産を制するNO.3

質問しているおじさん
法令上の制限は聞いたことない言葉が並んで難しいな....

最初はこのように、誰もが難しく感じるが、記事を読み進めて徐々に理解していきましょう。

重要事項説明書6ページ目

6ページ目はその他の法令上の制限が並んでいるが、各法律に該当するかどうかのチェック欄がある。

該当しない部分がほとんどのため、

特に重要な部分だけおさえておけば、合格ラインとする。

文化財保護法について

質問している高齢者
土地を購入したとき、そこは文化財包蔵地で調査をしたら遺跡がなんと遺跡が出てきたんよ

このような経験はレアなケースであるが、貝塚や古墳、土器や石器が土中に埋もれている土地を埋蔵文化財包蔵地といい、

 

市の方で埋蔵文化財包蔵地に該当している物件を購入する場合は、建物を建てる前に試掘調査を行い、

 

遺跡が確認されたら発掘調査を行うことになるため、予期せぬ工事計画の変更しなければならなくなる。

 

発掘調査は文化財の記録を残すことが義務となるため、必ず試掘調査を行い、遺跡が発見されれば発掘調査を行います。

 

現地調査費用は原則公費(市の方で負担)で行うが、発掘調査は買主の責任と負担で行う必要があるため、

 

予想していない費用負担が増えないよう、重要事項説明書では記載する必要があります。

 

※発掘調査費用は買主負担となることから、事業者側で購入した土地で遺跡や文化財を発見しても、

 

費用負担になるのを避けるために、勝手に文化財を破壊してしまうという問題がある

 

【文化財保護法まとめ】

・文化財保護法にチェックが入っている場合は、土地を購入し建物を建てる前に試掘調査を必ず行わなければならない

・試掘調査で遺跡が見つかった場合は発掘調査が義務付けられ、発掘調査費用は買主負担となる

※文化財包蔵地に建築工事をする場合は、規模に関係なく、工事の60日前に市の教育委員会へ届け出が必要

景観法について

景観法は市町村の条例によって建築制限があります。

 

例えば福島県郡山市では、大規模な建築物や広告等は周辺に与える影響が大きいとして、景観づくりを維持すべく、

 

大規模行為は届け出が義務付けられている。

 

郡山市を例にみると、建物の新築・増築・改築などで高さ13mを超える建物は届け出が必要であり、

 

高さ31m以上になれば、市との事前協議が降りないと建築不可となります。

 

【景観法まとめ】

景観づくりのために、ある一定の高さの建築物を建てる際は市の届け出や許可が必要になる。

 

農地法について

農地法は、売買取引をする物件の地目が農地の場合に該当します。

農地法第5条の所有権移転のための地目変更は、行政書士へ農地転用の届け出を依頼し、引き渡し前に行わないと、

地目を田・畑→宅地へ変更することができないので注意したい。

農地のまま、無許可で工事に入れば是正工事(元に戻せというもの)を指摘されるので注意しよう。

土壌汚染対策法について

 

ここにチェックが入っている前に土壌汚染されているかどうかは、土地の利用方法でわかります。

 

まず汚染している場所は雑草が生えません。

 

土地台帳や閉鎖登記事項証明書を法務局で確認し、どういう土地だったのかを調査をしますが、

 

購入を希望し買付証明書を入れる前に、不動産会社にヒアリングしておくと良いです。

 

この記事を読んでいただいている方には言いたいのだが、

 

土壌汚染の可能性がある場合は、即購入をやめることだ。

 

将来的にどのような健康被害があるかわからないし、土壌汚染の是正工事は膨大な費用がかかります。

 

どんなに土地の価格が安かろうとクリーニング工場やガソリンスタンド跡地であれば、即購入をやめる選択をすることをススめる。

 

土壌汚染対策法については下記の用語を確認しておこう。

【土壌汚染対策について】

・形質変更時要届出区域

土壌汚染があるが、健康被害が生じる危険性が無いと判断された区域。

・要措置区域

土壌中の有害物質により健康被害の危険性があると判断された区域

宅地造成等規制法について

 

宅地造成とは、宅地以外の土地にするべく、切土や盛土工事を行って傾斜を無くしたり、擁壁の設置などを行う工事のことです。

 

宅地造成等規制法は宅地造成に伴う工事によるがけ崩れや土砂の流出、地盤の損傷を防ぐために、

 

該当する工事をする場合には、都道府県の許可が必要となるというものである。

 

許可が必要となる工事は以下のとおりである。

※覚える必要なし。参考までに

【宅地造成等規制法による都道府県の許可が必要となる工事一覧】

・切土2mを超える場合

・盛土1mを超える場合

・切土と盛土を合わせて2mを超える

・切土または盛土の工事をする面積が500㎡を超える場合

造成宅地防災区域について

造成宅地防災区域は宅地造成等規制法以外の造成宅地で、地震などによるがけ崩れや土砂の流出、

災害が発生する可能性があるとして都道府県で定める区域を指します。

こちらも宅地造成等規制法同様に工事の際は都道府県の許可が必要です。

この点だけ抑えよう。

 

土地区画整理法について

 

土地区画整理事業とは、公共施設が未整備な区域において、土地の地権者から少しずつ土地の提供を受け、

 

公共施設の設置、区画整理後の土地を「換地」として再配置する事業をいう。

 

重要事項説明書の中の用語を確認をしていこう。

【土地区画整理法の用語の確認】

・従前地:土地区画整理事業実施前の未整理状態の土地のこと。

・減歩(げんぷ)

従前地から少しずつ提供し合い、公園や道路用地を捻出するために土地を減らすことを減歩という。

換地の面積は従前地の面積より少なくなる。この減少率を減歩率という。

・換地:区画整理後の土地のこと

・換地処分:工事完了すると最後に換地処分という手続きを終えて、土地区画整理事業が完了する。

・仮換地:土地区画整理区域内の土地所有者は事業前に土地から移動してもらうために代わりの土地を割り当てることになる。この土地のことを指す。

・仮換地指定:新しく造る区画の予定地を、工事の施工前に仮に指定すること。

・清算金

換地の面積は減少しても、区画が整理されて土地の形状も整備されれば地価が上昇するため、従前地と換地の価値は同じくなる。

しかし完全に同じにはならないため、清算金を授受する。

新しい土地の評価が従前地域より上がる場合には清算金が徴収され、土地の評価が従前地より下がった場合は清算金を交付する。

・保留地と賦課金

土地区画整理区域の土地はすべての土地を換地として設けず、保留地を残す。施工者は保留地を売却して事業費を賄う。

しかし保留地の売却でも事業費を賄えない場合、組合員(土地区画整理事業に該当しているすべての地権者)から公平に負担する。

以上が土地区画整理事業の解説である。

土地区画整理事業においては、買主に費用負担の発生する清算金と賦課金が重要であり、

不動産会社の方で組合などにおいて調査等を行います。

 

今回の記事は専門的な内容であり、宅建士試験でも問われる内容も含んでいる。

聞いたこともないワードがずらりと並んで大変だったと思いますが、

本来は義務教育で扱っても良いぐらい基本的な内容でもあります。

記事を読み返していただいて、理解を深めていただけば幸いです。

 

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kurosu

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