番外編 雑記ブログ

就活生よ、不動産業界の対策はこれだ

 

質問している人
3月からの就活に向けて、情報収集しているのですが不動産業界の就活対策ってどうすれば良いですか?
この時期は何かと焦りますよね。

不動産業界へのアプローチとして「不動産業界で、今後懸念される課題についてお話していきたいと思います。

黒須

 

古い不動産業界は変わりつつある

 

不動産業界は他の業界より30年遅れているという話もある。未だに手書きでも成り立ってしまう業界です。

契約書への署名~捺印、FAX、電話があれば商売ができるので高齢者でひとり社長をやってますという人も多いです。

 

しかし新型コロナウイルスを機にリモート内覧やIT重説が進み、一気に進化したといえる。

 

まず用語の確認です!はじめにリモート内覧だが、これは現地に行かなくても携帯で現地の様子を見ることができるサービスである。

購入したい物件や借りたい物件があった場合に、不動産会社へ連絡→スタッフが現地へ行きカメラをまわす→テレビ電話のような形で物件内を確認する。

これは新型コロナウイルス前が流行する前はほとんど活用がなかった。

あくまで個人的な見解になるが、現地に来てもらった方が直接スタッフの顔も見れるし、現地の様子も直接確認できることから、安心して購入できるといった気持ちの面が大きいので、成約率がリモートより高いというのがひとつの要因であるとみています。

しかし時代が大きく変わり、リモートの案内が普及し始めている。遠方の方が物件を探すのには大変便利なサービスですね。

 

次にIT重説だが、これはITによる重要事項説明書の実施のことである。

重要事項説明書は「宅地建物取引士」のみが説明・書類への捺印をすることができるのだが、この説明は今までは直接店舗に来ていただいて説明をすることがほとんどであった。

しかしこの説明をリモートでできるというわけです!

事前に書類を契約者に発送するという手間もあるが、わざわざ店舗へ行くことも無くなります。

ちなみにIT重説は賃貸の契約、売買の契約ともに可能であるが、今後は電子署名・捺印ができるようになってくるであろう。

では次に不動案業界の課題をピックアップしていきます。

 

空き家問題

 

大半の就活生も恐らくここは抑えてくると思うが、今後の課題のひとつは「空き家対策」です。

現在(平成30年住宅・土地統計調査)で空き家の数は846万戸も存在し、全住宅に占める空き家の割合は13.55%にも上っている。

計算でいくと7戸に1戸は空き家ということになる。

 

これは賃貸マンション・賃貸アパートも含めてなので、846万戸の戸建ての空き家があるわけではない点に注意しよう。

 

戸建てに関して言えば、放置された建物の所有者が遠方にいて管理できない場合は、知らぬ間に建物の崩壊、ネズミ・虫の発生したりと悪影響も出る。

 

この問題は、相続登記が任意である点が事を大きくしている。

 

これはどういうことかと言うと、不動産の売買の場合は必ず所有権移転登記を行うが、相続登記は任意であり、しなくても特に良いので、そのまま放置してしまう人もいる。

 

相続登記をしていないと登記事項証明書からの情報から所有者を調査することができず、所有者不明の建物となります。

 

不動産業者は空き家があった場合は、その建物の登記事項証明書を取り、謄本の情報をもとにお手紙(空き家となって周辺に悪影響を及ぼす恐れがあるので、土地活用として○○はどうですか?など)を出したりして提案する場合もありますが、謄本の情報が既に亡くなっている方の情報であれば、所有者へ届く可能性も無くなり、所有者がわからず空き家は放置されることになってしまいます。

 

上記問題の対策として、相続登記については、所有者不明の土地が全体の2割ほど存在することから土地に関しては登記が義務化されることになりました。

内容としては相続してから3年以内に申請をしないと過料(10万円以下の罰金)を科すというものです。

 

次に国土交通省の不動産ビジョン2030について見ていきたいと思う。

「不動産ビジョン2030」では住宅政策は「量」→「質」の転換でストック型社会の実現が必要といっており、住宅は需要より供給が多くなって結果として空き家が生じている。

 

「不動産ビジョン2030」では不動産の政策アプローチの一つとして「不動産をたたむ」という考え方が発案されたことに注目したい。

これは市場性の無い不動産、例えば郊外で築古の建物で、「誰も買う人なんていないでしょっ!」という物件については建物を取り壊し、悪影響が出ないようにしましょう!という考えです。

現段階では、「解体費用なんて出せないよ!」という人は放置してしまうので、所有者の果たすべき責務のあり方、地域の利益のために土地の利用・管理をするための仕組みを作っていく必要があります。

 

人口減少

 

質問している女性
とりあえず人口減少からの空き家が増えてるでいいんだよね?

 

実は人口減少になっても、世帯数が減らなければビジネスは維持できます!
黒須

 

次の課題は人口減少の話になります。

2025年から団塊の世代が後期高齢者となり、徐々に人口が減少していくとシナリオです。

今の統計で行けば、人口は1億人を切り、人手不足で日本社会はまわるのか?ということです。

 

不動産業界に関して言えば、人口は減少していても、世帯数が維持されていればビジネスとして成立する点に注目したい。

統計として、人口は減少しているが、世帯数は増加しているという自治体も存在します。

 

マンションの購入、アパートの賃貸に関してもファミリー世帯が減り、独身世帯が劇的に需要が増すと考えられます。これは結婚する人がそもそも少ないので、単身世帯が増え、1K~2LDKの間取りの需要が増えるというものである。

 

新型コロナウイルスによってリモートワークが普及してきたので、「作業部屋が欲しい」という需要も考慮すると1LDKの需要は最も高くなるのではないかと考える。

 

心理的瑕疵について

サラリーマン
このあたりは幽霊出ませんか?

 

わかりません(笑)
黒須

 

最後に心理的瑕疵の話をします。

 

結論を先にいうと心理的瑕疵に関するルールは討論され始めており、ルール化が始まっています。

まず心理的瑕疵とは「事故物件について」の話です。

 

事故物件は「大島てる」というサイトが有名で私も物件調査の際に必ず確認するようにしています。

 

ここで確認しておきたいのが、「何を討論しているか?」についてです。

 

討論の内容としては心理的瑕疵物件に該当するかどうかです。

 

心理的瑕疵物件に該当する場合は物件を購入する方、物件を借りたい方へ重要事項説明書で告知義務があり、告知義務を怠ると損害賠償の話にもなってきます。

 

そこで国土交通省により「宅地他t物取引業者による人の告知に関するガイドライン」が発表され、以下の内容でまとまりました。

※「公益社団法人全国宅地建物保証協会」REALPARTNER11月号より抜粋

事件性、社会性、周知性のあるものは告知の義務ありとなりますが、ここはグレーゾーンになりますので、

今後の裁判所の判例を追っていきたいと思います。

【国土交通省HP】

https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html

 

高齢者の賃貸アパート問題

3つに絞りたかったのだが、高齢者の賃貸アパート問題についても触れておきたい。

 

質問している高齢者
アパート探しているんですが借りられる物件ありますか?
現状、借りるのはなかなか難しいです
黒須

この理由が不動産業界の課題のひとつである。

 

さっそく見ていきましょう!

 

まず賃借権というものは相続されます。

賃借権とは、アパートに入居した段階で自然に発生する権利で、登記をしなくても建物に入居した時点で入居者は権利を持つという性質である。

権利を持つが故に、入居後に大家さんが建物を売却し、新しい大家さんからいきなり出ていけ!と言っても、

出ていく必要が無いように借地借家法という強い権利で守られています。

しかしこの賃借権は相続されることから、入居者が孤独死をした場合、残置物を勝手に撤去できず相続人が撤去する必要があります。

つまり大家さんは残置物がある以上、入居者の募集も残置物の撤去もできず、

さらに大家さんで相続人を探して、相続人に契約の解除をしてもらわないと契約も解除できないのである。

こうしたリスクがあることから、高齢者が賃貸アパートに借りたくても大家さんがNGで物件を借りられないという実情があります。

空き家は多いが、借りられないという事実....

 

この対策に関しては、高齢者の賃貸借契約に加え、残置物撤去に関する委任契約を科すよう検討されはじめました。

これはどういうことかというと、60歳以上の方がアパートを契約する際に、相続人やケアマネジャー、もしくは最後の砦としてアパートの管理会社と委任契約を取り交わし、孤独死が発生した場合に残置物や契約の解除等を受任者に委ねるというものである。

上記のものが実現できれば、高齢者の賃貸アパートにも前向きになり、多少なり高齢者の入居のハードルも低くなると思います。

以上でざっと課題を書いてみました。。これらを理解できれば「不動産業界をよく調べたな~」ってなるのは間違いなし!

あとは上記の問題について自分なりの考えを持ち、内定を勝ち取って欲しいと思います。

 

たまたまこの記事を見て、不動産業界へ就活チャレンジして、見事成功しました!って方が居たら、コメントをくれると嬉しい限りです👍!

 

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kurosu

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