今回はまちづくりの本質についてです。
不動産学では、基礎編④でまちづくりの基礎知識として都市計画法と用途地域について説明しているので、そちらも確認していただきたい。
まちづくりとは地域を再生することであり、その場限りで再生するのではなく、継続して地域が成り立ち、
各々が豊かに生活を送れるようにならないと再生したとは言い難い。
では、どのようにすれば、まちづくりというものが成立するのだろうか?
【まちづくり(地域を再生する)に関すること】
・利益を追求する
・補助金だよりにしない
・まちづくりが必要とされるようになった理由
利益を追求すること
まちづくり(地方を再生すること)が成立するのは継続的に稼げることである。
利益を追求することを徹底していくことである。
この考えは木下斉さんの考えを参考にしている。
「まちづくり」というと「行政でやるもの」だとイメージがある。
その理由としては、地活性化のイベントを県や市町村の予算で行うからです。
例えば移住関係のセミナーや、地域の魅力発信としてツアーを行ったりするものがありますよね。
しかし本質的なところは、まち全体が稼げるかどうかにかかってくる。
1回限りのイベントの場合、継続的にまちを発展させることは難しい。
最終的には自治体の補助金だけが頼りになり、稼げる環境とは遠のいている。
役所の場合、1度地域再生のようなイベントに効果があれば「見本」となり、
同じようなことが他の自治体でも展開される始末である。
※役所批判ではなく、役所側も税金を使っているため、確実な成果を上げたいという構造があるので仕方ない部分はある
「まちづくり」はボランティア活動ではなく、「事業」である。
一般の民間企業のように利益を追求し、なにより稼ぎを優先するのである。
補助金だよりの「事業」では、「事業」として脆いため成り立たないのである。
まちづくりが必要になった理由
今までは常に街は進化していき発展していったため、まちづくりという言葉は比較的あたらしい。
では近年、なぜまちづくりが必要になったのだろうか?
戦後、日本はものすごい勢いで発展していったため、まず住宅を建てることに必死になった。
しかし需要より供給が増え、現在では空き家問題やシャッター街が問題となっています。
これは人口の推移と車が原因であるといいます。
人口が地方→都市圏へ流れることによって地方がスカスカとなり、高齢者しかいない街となりました。
さらに今までは、電車を中心に、人通りでは商店街が並んでいたが、
車の登場によって一人一台車を持つ時代へ変わり、人通りという概念が崩れてしまったのであった。
そしてようやくシャッター街が目立ち始め、さらに住宅においても空き家が目立つようになり、
みんなが気づき始め、まちづくりの施策がはじまってきたという風潮です。
まとめると以下のとおりです。
【まちづくりが必要な理由】
・昔のような施策を繰り返しても、まちは発展しないことをみんなが気づきはじめた
・車社会になり、人通りが出店していた店舗が閉鎖されシャッター街があちこちにできたこと
・人口の減少と高齢化問題により、あたらしい街をつくる必要があること
人口の増減が経済の増減を決めるということは過去の記事で取り上げた。
日本の場合は団塊の世代が最も人口が多く、2025年には後期高齢者となって、ここから人口の減少が顕著になります。
一方で少子化は歯止めが利かないだろう。なぜなら若者の所得や社会保険料の増加によって、明らかに貧困化しているためです。
人口ひとりのまち
最後に仮の話になるが、人口がひとりしかいない地域が存在する場合を考えます。
これはデメリットしかないと思っている。
税金を払っている以上、誰一人として切ることはできないのである。これは何を意味するか.....?
例えば町は郊外で、買い物をするのにも10km先に行かなければならないとします。
その道路を渡るのは、高齢者のひとりしかいない。
しかしみんな平等の精神で動いているため、高齢者ひとりのために道路を整備したり、水道管を設置しなければならないため、
結果、ひとりしか住んでいないのに維持費に膨大な費用がかかる。
限界集落といわれている村は、近いうちにこういう現象が出てくるだろう。